Airsite Missionのプレストーリーを紹介します。

空中要塞

 その世界は我々の住む世界とは少し異なる。
 まずは空を見上げて欲しい。
所在なげに漂う巨大な空中建築物が見えるだろう。
それはかつての先史文明の遺物にして超規模戦争の証人でもある。

 もっと近くで空中建築物を子細に眺めて欲しい。
その表面を見れば、かつての戦争の爪痕を垣間見ることができるだろう。
太陽の生み出す熱にも耐えうる装甲が溶解している……。
かつていかに素晴らしい技術が存在し、かつそれがいかに愚かなことに用いられたかを示す証左 だ。

 超規模戦争は、人と呼ばれる種をほぼ一掃し、文明技術レベルを0にまでリセットした。
限界まで積み上げた積み木はいずれ崩れる……それが分かっていなかったわけでもあるまいに。
しかし、実にありがちな話でもある。

 しかし人は滅びなかった。
かつての文明の名残を空に見上げながら、人は再び進歩への道をひた進んだ。
やがて人は集まり、いくつかの「都市」を形成した。
いや、「都市」というより都市国家といったほうが正しいか。

 「都市」はあたかも人間のごとく頭とその使役物である肉体とを備えていた。
頭とは先史文明を研究するエリート種の集合体。
彼らは「都市」の上空に浮遊する建築物を建造し、下の人間を支配した。
もちろん体とは睥睨される側の人々のことである。

 集合せし人間の総体である「都市」はさらなる勢いで進歩への道を突き進んでいった。
先史文明の遺物が残っていたのも幸いした。
埋もれた財宝……先史文明の遺物をこう表現する人もいる。
それらを研究することで人はあっという間に技術レベルをあげていった。

そして再び……彼らは空を駆ける翼を手に入れた。
戦闘機という名の翼を……。


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