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地球に似ているとはいえ、火星は人類が生きるには寒すぎたり、酸素が少なかったり、過酷な環境です。
この環境を克服するためには、人が生きられる環境を人工的に作り出すしかありません。
ひとつにはテラフォーミング(惑星地球化改造)という、惑星規模での遠大な方法がありますが、これは世紀単位の時間を要します。
ドーム都市という手段は、短期間にその目的を遂げることができます。
「火星計画」では、各都市に、ドームや宇宙港や鉱山プラントといった大型の建築物を五つまで建てることができます。
火星開拓初期のドーム内部には、都市機能ばかりでなく農耕地なども作られるでしょう。火星の環境に耐えられないのは人間だけではないのです。
ドーム内部には、住居、農場、化学工場、防災機関といった小型の建築物を建てることができます。 ドームは、生活のための施設を建築するための場所です。
下図の施設のうち、風力発電所だけは例外です。 なぜって?…ドーム内には風は吹きませんから。
風力発電所は、開拓地(ドームの屋根を取り去ったもの)の上に建築してください。 火星には希薄とはいえ砂嵐が起こるくらいの大気がありますので、結構な電力が得られるのではないでしょうか。
他にも、 発電所などドーム外にも建築できる施設がいくつかあります。 テラフォーミングや農業技術が進むにしたがい、さらに多くの施設がドーム外にも建築できるようになっていきます。 火星名物(?)大砂嵐には十分に注意してください。
様々な建物で構成された都市は、あるものは鉱山都市、あるものは空港都市、あるものは農業と工業の都市といったふうに独自の役割を担っていきます。
これらの都市は、単独ではなにかしら資源の過不足を生じるでしょう。そこで、都市と都市の間を輸送路で結んで、互いに不足している資源を補いあったり、人口を分散したりといった、流通を確保していかなければなりません。
地上輸送路は近隣の都市間を、航空輸送路は宇宙港または軌道エレベータ間を結ぶ流通路です。
火星で最も基本的な資源は電力です。 例えば酸素を得るためには、水を電気分解するか、酸素を多く含んだ土壌を加熱しなければなりません。 火星には発電のための化石燃料は存在しないし、酸素と水素を使った動力を使えば、肝心の酸素を消費してしまいます。 従って、火星では核反応炉が主たる電力源となります。火星計画では原子炉と核融合炉の2つの反応炉が活躍します。
もう一つの電力の供給源として考えられるのが、太陽光を使った発電です。 ただし火星に届く太陽の恵みは決して豊かとはいえないし、天候の影響を受けるのは現在の地球と同じです。 しかしそれでも太陽熱発電は、核反応炉にくらべ安価で安全な電力源として使用されます。 また、わずかなエネルギー源でも無駄にしないために、小規模ながら風力発電も運用されるでしょう。
また、人類が生きていくために、酸素は不可欠の存在です。 火星の大気にも僅かながら酸素は含まれていますが、これでは充分ではないし二酸化炭素濃度が高すぎます。 酸素供給プラントは電力を消費して、大気中の二酸化炭素を酸素と炭素に分解しています。
入植の成功の条件として、すべての資源は基本的に自給自足をせねばなりません。 何しろ、地球は買い物に出かけるには遠すぎます。 足りない資源は、火星上を探査して見つけ出さねばなりません。
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