AD2517、ネクタル戦役終結。それから2年──。

 ネクタル戦役で勝利を収めた地球政府は、権勢を増し、その支配体制はますます強固になっていった。これをよしとしない惑星連合の一部の星系では、地球に対する抵抗運動が巻き起こりつつあった。その活動は主にゲリラ形態をとっており、戦乱の火種は今や宇宙の各地に散在していた。
 この事態に対して、地球政府は『平和維持軍』を広範に派遣。平和維持軍の活動は全宇宙規模で展開されていた。

 そんな情勢下での、ある惑星。

 少年『ミチル』は、平和維持軍の新型ローダー『ブルーブラスター』のメカニックであり、機体調整用のテストパイロットでもあった。
 前線への機体搬送任務を受けた彼は、その移送中に敵の奇襲を受け、混乱の中で戦闘に巻き込まれる。
 戦闘の結果、欠員が発生しブルーブラスターを扱える人間はミチルだけとなってしまう。
 この緊急事態に、平和維持軍第190広報部隊隊長『マキ』は、ミチルに部隊への入隊を命令した。
 戸惑いながらも従うミチルに、非情な命令が下る。

 「あ、でもこの部隊は女性だけの部隊なの。男のコだと色々問題有るから、キミは今日から女のコだから。ばれたらアタシもキミも大問題なんで、ヨロシクねミチルちゃん♪」


 “彼女”が所属することとなった広報部隊は、慰問・広報を主務とし、うら若き女性のみで構成される一方で、強力なローダー(人型兵器)を配備される平和維持軍きっての特殊精鋭部隊。
 不穏な空気渦巻く星々を調査してまわり、ときに笑顔を振り撒き、ときに鉄槌を振るう、強く美しい戦場の女神たち。

 その部隊で女装を強いられることとなったミチルは、日夜続くドタバタと戦いの中で、やがて己が運命と向き合っていく。来るべき決断のとき、ミチルが守るべき笑顔は果たして誰のものなのか──今、ミチルの物語が始まる。