パソコンがある今の現場と、パソコンがなかった昔の現場の最大の違いは、「一発勝負である」ということでした。
今は、パシャッとカメラのシャッターを切ればすぐに、どんな風に写ったのかをパソコン等で確認することができ、画像の修正や加工なども可能です。
しかし当時は、現像所から現像が上がってくるまでは、「何がどう撮れたか」をすぐに確認することができなかったのです。
しかも、フィルムの現像仕事は最短でも半日はかかりました。
そのため、ポラロイドフィルムという、その場で確認ができるインスタントカメラを使って試し撮りを行なってから、本番の撮影に臨んでいました。
けれど、ポラロイドフィルムは当時かなり値段が張るものでしたので、「なるべく少ない回数で済むように」という充分な緊張感が、試し撮り段階からすでに漂っていました。