ユーラシア大陸初上陸!(あ、個人的に、です)

「90番の旅」をはじめてはや○年、「どこに行くかではなく、部屋を出ることが旅であり冒険である」をキャッチフレーズに、「近所の旅」を推奨してきた当コーナー。しかし昨今、特派員さまによるたくさんの「海外の写真」をいただくようになりまして、えー、担当としてはですね、「あーおらも海外にいきてーずら、でついでに写真とってきたいずら」と、ブツブツ嘆いていたわけです。

まぁそれでいて出不精(デブ症でもある)であったり、しゃべれるコトバは日本語だけの語学非堪能だったりで、自分から「「れっつ海外旅行!」というタイプでもなく、なんともまぁ人任せな人間でほんとすみません。

と!

そこに、まさに降って沸いたような海外渡航の話。それは『ディアピアニッシモ』の製作現場の視察でした。
『ディアピアニッシモ』は、USBメモリ、YUJINさん製作のフィギュア等々、多くのパーツが中国で生産されているのです。で、じゃあパッケージの印刷や、アッセンブリ(箱に詰める作業ですね)なども、全部中国でやりましょうか、ということになったのですね。
となると、印刷物のチェックや、アッセンブリの具合を調べるのに、こっちから人間がひとり行ったほうが、手っ取り早いし時間短縮になるし、ということだったわけです。

で!

行ってきましたよ!私が。
スケジュールは、2泊3日、行き先は中国・杭州です。
杭州というのは中国で今元気がある海際のエリアのひとつ、上海からちょっと東側になります。(上海までは電車で1時間くらいだとか)
杭州には「経済技術開発特区」といわれるエリアがあり、そこでは日本をはじめとしたたくさんの海外の企業が製造の工場を展開しているのです。
その中に、いつも工画堂がお世話になっている、音研さんの現地法人との合弁会社がありまして、『ディアピアニッシモ』は、そこで製造されることになったわけですね。

海外慣れしてない、もちろん中国語なんて話せない、「大丈夫すよ現地に日本人いますから」という言葉だけを頼りにドナドナを口ずさみながら、成田空港から背中を丸めて旅立つ旅人A・・・おい海外行きたかったんじゃないのか?ココロに余裕なさすぎ!!
と、いうことで、準備もままならないまま90番だけ持って行ってきました2泊3日の旅レポはじまりはじまりー。


7月22日(土曜)


杭州空港到着!

天気は晴れ、今日も東京は暑くなりそうです。
杭州までは成田空港から直行便があります、が、朝9時フライトということで眠い目をこすりながら旅立つのでした。
(ノロノロしていて、危なく飛行機に乗り損ねそうになったことはスルー)

飛行時間はたったの3時間、大阪出張とさほど変わらないです。まさに、「ほんの一眠り」でした。

ということで、あっというまに杭州上空。
見下ろすと、広大な農地と、・・・カラフルな民家の屋根。日本の風景とはちがいますねぇ。テーマパークを見下ろしてるような感じ。
写真を撮りたかったんですけど飛行機の中はカメラNGなので、ありません、ザンネン。


飛行機を降りると、日本的なんだけどどことなく違和感の空港。シーンと静まりかえった場内には、キリっとしたオリーブドラブの服を纏った警備員と係員。もう完全アウェイで早くもビビり全快のA.まぁ中国じゃなくても、どこでもここは緊張するんですけどね。

問題なく入国手続きを済ませ、現地スタッフの皆様と合流し、「日本語」が話せてほっと一安心。東京もでしたが、杭州も熱い!!汗がダラダラ出てきます。

そんな汗をぬぐいながら休むまもなく、早速一つ目の工場視察に向かうのでした。


空港からは準備していただいた車での移動です。(よって写真も車窓から)
上の広い写真が、杭州を流れる銭塘江(せんとうこう)
というおーきな川。杭州といったら、この「銭塘江」と「西湖」がシンボルです。天候の関係でかすんで見えますが、もう山ひとつない広大な大地ですよ。

・・・しかしね、空港からはすぐハイウェイだったんですけどね。中国の人は、車の運転がワイルドですw もうねクラクション鳴らす鳴らす。日本での一生分のクラクション使用量を1週間で使い切るくらいの勢いです。で、割り込むわ、S字に追い越しするわ、良くまぁこれで事故にならないなぁと、関心してしまいましたw
ドライバーさん:「事故?ああ、日常茶飯事ですよ?」  ・・・やっぱりか。



USB工場「嘉明電器」視察

川を越え、町を抜け、いくつかのジャンクションを抜けて走ること約1時間。深い緑に囲まれた敷地の中に、今回ディアピアの心臓部である「USBメモリー」の製造をやってくださっている嘉明電器さんに到着しました。

こちらではUSB、SDなどの半導体だけではなくCD-ROM、DVDなどの製造も幅広く行っているそうで、その出荷先は中国国内、日本、ヨーロッパ、アメリカなどワールドワイドな展開をなさっているとか。
折しもちょうど夕立のド真ん中に到着してしまったにもかかわらず熱烈歓迎いただきまして、いやー旅の疲れも癒えるってもんです。全然疲れてないですけどw

会社の説明や、こんかいのプロジェクトの話をひとしきり(通訳してもらいながら)したあと、「では早速現場を」というこで、実際にUSBを作成しているところを視察させていただくことになりました。

で。
当たり前ですが、嘉明電器さんでは、うちの仕事以外もやっているわけです。よって、セキュリティチェックは超厳重。機密事項もたくさんあるわけですのでね。
ということで、通常はこういうところでは写真とか撮らせてもらえないんです。手荷物はポケットの中から全部出し(記録媒体とか持ち込めないようにですね)、金属探知機でボディーチェックなのです。
が、私の捨て犬のような悲しそうな表情が功をそうしたのか(?)今回特別に、部分的に撮影OK、というご許可をいただけました、嘉明電器さんありがとう!!!


ここがUSBメモリー関連の部屋です。
この日はちょうど土曜日でして、一般業務の皆さんはお休み、工員のかたも、平日よりは少ない人数でお仕事をなさっていました。

左にあるのがプリント基板を作成するでかい機械です。日本製だとおっしゃっていました。この機械一台にデータと部材をセットするだけで、どんどん基盤、(メモリーなども)できてしまうというわけです。すばらしい。

で、出来上がったUSBメモリにデータを書き込みます。
今回ディアピアは、製造数がそれほど多くないので、一つ一つ人間の手でメモリーにデータが書き込まれ、同時にチェックされ、検品されて、次の工場へ出荷の準備をされると、いうわけです。みなさん真剣なまなざしで、黙々と作業なさっていました。



一通り見学させてもらってから会議室に戻ると、できたてほやほやの「ディアピア」パッケージがもうひとつの工場から到着。
箱のデザインとかは日本で作成したわけで、見て知っているのですが、こうやって完成すると、なんとも感慨深いです。

ということで、これからもシリーズ展開などしながらもっともっと一緒にお仕事しましょう!という挨拶を交わして嘉明電器さんをあとにするのでした。





本日の視察メニューはこれにて終了。
左の写真がホテルの窓から見た杭州の町です。眼下に大きな川が流れてて(なんて川でしょうね)まっすぐな線路には、長い長い貨物列車がゆっくりゆっくり走っていました。

都市部に行くと建築物の雰囲気は日本と同じ、でも少し空間が広く使われていることのみ違いますかね。車の交通量は多く、日本と同じように夕方の通勤渋滞はけっこうキツそうでした。

繁華街(と思われる)中心には、ファッションビルや、おなじみのカーネルサンダースさんもいらっしゃいました(笑




先ほど分かれたばかりですが、嘉明電器のみなさんと食事をしましょうということになりまして、お仕事がおわったあたりで再び合流。

西湖のほとりにある「湛碧楼(ZHAN BI LOU)」というレストランにいきました。
写真にもあるとおり、なんとも美しい中国的風景です!西湖にせり出した回廊の下には蓮の花が咲き、太陽はゆっくりと、さっきまので暑気の残りをつれて山の向こうに沈んでいきます。
琵琶や二胡の音が、どこかからか聞こえてきそうなムード

ゼンマイがきれて止まりそうな時計の針のように時間は流れ、ああぁ中国ってのはなんだか、圧倒的に雄大だなーと、こちらのキモチまでゆったりしてきます。

お食事は地元西湖で取れた魚介類などが中心で、見たこともないものがたくさん出てきました。


左の写真のデザート、暖かくて、甘くて、半透明のナタデココのようなものがふわふわ浮いています。うーん、何かの果物かな?
「これはなんですか?」と聞くと、

「雪がたいそう積もる高い山の頂上のほうでしか取れない、かえるに似た動物です」

・・・カエル?に似た? え!?動物なの!?!?!?!?!?

 

と、中国の夜はとっぷりと更けていきました。
 




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